INTERSECTIONS -case08- MATOYA × Atsushi Matoyama
“INTERSECTIONS edit by TAB Journal”とはTABがこれまでに関わらせて頂いた場所や空間で過ごしている方々に焦点をあて、インタビューしていくコーナーになります。
第8弾として2018年3月にオープンした「MATOYA」にお邪魔してMATOYAの店主「的山篤史」さんにインタビューを行いました。お店ができる前のことやMATOYAを運営をしていく中で気づいたことなど、また今後の展望についてお聞きしました。
TAB)MATOYAを始めたきっかけはどんな感じだったのでしょうか?
的山)大学を卒業後、家具の商社に就職しましたが、何か違うなと思い、1年で辞めてカナダのトロントに行き、1年半住んでいました。そこでは古着のバイヤーアシスタントをして生計を立てていました。この仕事は工場にある大量の古着からヴィンテージや流行の服をピックアップする仕事で、僕がいた時期はビックシルエットのものとか、企業のロゴが入ったTシャツ、モードっぽい服などをよくピックアップしていましたね。あとは、服やものを寄付するボックスが町の中にあり、それらを集めて売っている「Thrift」(スリフト)と言われるリサイクルショップに行き、そこで良さそうなものをピックアップしていました。
<↑トロントの風景 的山さん提供>
TAB)なかなかのサバイブ感がありますが、すごく楽しそうですね!ものを見る感覚が鍛えられそう。
的山)すごく楽しかったですね。いろんなお店を回っていたので服だけでなく、お店に置いてある家具やオブジェなども見つつ、、何となくですが、海外での買い付けの感覚みたいなものが出来たような気がします。トロントに住んでいた時、街の中のセレクトショップなどを探して遊びに行っていました。よく行った「SOUVENIR STUDIO」のオーナーと仲良くなって、地元のいろんな作家さんを紹介してもらいました。MATOYAで現在でも取り扱いのある「The Toronto INK Company」や「Akai Ceramics Studio」さんもそこで繋がった作家さんですね。帰国後、「MatoYa」という屋号を作り、トロントで繋がった作家さんの作品の販売を始めようと思い、岡崎市のセレクトショップ「Eins&Zwei」さんに相談して、お店で委託販売をしてもらいました。そこから日本の取り扱い作家さんも増えて東京の月島にある「S」さん(現在休業中)に持ち込みしてPOP-UP SHOPをさせてもらいました。その後、TABの事務所の2階にある南原食堂で行われた写真家の濱田君の展示に合わせたPOP-UP SHOPもしましたね。
<↑東京 月島にある「S」での展示風景>
<↑南原食堂で行われたKosuke Hamadaによる写真展「BIG COUNTRY」でのPOPUP-SHOPの風景>
TAB)そうですね。濱田君の展示は約2年前ですね。時がたつのが早い。。その後も美濃加茂にある「rofmia」さんなどでPOPUP SHOPや屋外イベントなどに参加されていましたよね。今後も移動して販売して行くのかなと思っていたのですが、現在の場所で店舗を持つことにしたのはどんなきっかけだったんですか?
的山)「S」さんでPOPUP SHOPをしていた時にたまたまやってきた「ろくろ舎」の酒井さんと出会い、MATOYAを気に入ってくれたことで「ろくろ舎」での展示も決まりました。その後、「ろくろ舎」で展示を行ったときに酒井さんと今後のことについて話していました。その時は自分は契約社員として仕事をしていたので、その期間が終ったら実店舗を始めようと考えていましたが、酒井さんに「その時間もったいないから、週末だけでもお店を始めたらいいじゃん!」とアドバイスしてもらって、確かに、、と思い、岡崎に帰ってすぐに物件を探しました。見つかった場所が今のMATOYAの場所で、すぐにTABさんに電話しましたね笑
<↑物件調査。既存のパーテーションを破壊し、現在のMATOYAの縦長の空間が現れた>
TAB)電話をもらった次の週には岡崎に来ていた気がしますね。物件に着いた時、ちょうど籠田公園が工事中で公園を眺めることができるいい立地だなぁと思いました。僕たちは全体の構成を示しつつ、サポート的な感じで動きましたね。解体や塗装、組み立てなど的山さんがほぼやってくれました!お店の什器は最後に一緒に作りましたね!お店ができるころには的山さんのDIYレベルがアップしていましたね。
<↑MATOYAの空間ができるまで。的山さん提供>
的山)お店をオープンしたときにMATOYAのロゴをトロントの「SOUVENIR STUDIO」のオーナーに新しくデザインしてもらいましたね。また、イベントを一緒に行った写真家の濱田くんに記事を書いてもらいました。その後オープンしてから10ヶ月で契約社員の期間が終了したので、週末営業だけではなく、通常営業に切り替えるタイミングで店舗のリニューアルをDIYで行い棚や壁面、什器などを増やしました。それから1年が経ち今に至ります。
<↑現在のMATOYAの店内>
TAB)MATOYAのインスタグラムでアップされる写真が綺麗でとてもいいなと思って見ているのですが、ご自身で撮影されているのですか?最近ではインテリアや雑貨などを取り扱う雑誌に掲載されてましたよね!MATOYAのブランディングについてお聞きしたいです。
<雑誌Brutusでの記事>
的山)写真は自分で撮影しています。ここの建物の南側の窓がすりガラスになっていて、太陽の光が柔らかく入ってきます。その光を利用して撮影しています。最近取り扱いの始まった作家さんの中にはMATOYAのウェブサイトやインスタグラム、取り扱う作家さんや商品などを見て、MATOYAのことを気に入ってくれてお取引きが始まった作家さんもいます。選んでもらえることは本当に嬉しいですし、励みにもなります。まだまだお店が始まって日が浅いのですが、SNSを通じて少しずつ認知してもらえるようになってきました。
TAB)今後の展望として、どんなことを考えていますか?
的山)2020年11月からはお取扱いのある作家さんの展示を行うギャラリー的な活動もしています。展示の時に作家さんと一緒に新しいプロダクトを作ったり、展示空間を作ったりしていきたいなと思っています。そうすることでMATOYAで展示をするときは変わったことができそうだなと思ってくれたらいいなと思っています。
11月はガラス作家の安藤さんの展示と「ろくろ舎」の酒井さんの展示を行いました。安藤さんの展示は安藤さんのガラス作品の世界観がわかるような大きなオブジェを空間に配置し、商品展示だけではない体験を作り出そうとチャレンジしました。
<↑ガラス作家 安藤里実さんの展示風景 >
また酒井さんの展示では「ろくろ舎」としての酒井さんではなく、職人としての酒井さんにフューチャーした展示を行い、展示初日にはMATOYAから徒歩2分のところにあるホテル「ANGLE」さんに協力していただいてトークセッションも行いました。
<↑ろくろ舎 酒井義夫さんの展示風景 >
<↑ろくろ舎 酒井義夫さんのトークセッション@ANGLE>
次回展示の日程としては、
2020/12/19 - 27
小黒ちはる 個展
初の単独個展となります。今回は新作の土器シリーズを中心に販売する予定です。
2021/1/9 - 17
永瀬二郎 個展
新作の椅子を今展で販売予定です。空間構成をちょこっとTABが担当しています。
12月19日から陶芸家の小黒ちはるさんの個展、年明け1月9日からアルミ作家の永瀬次郎さんの個展があります。今後も常設の商品も増やしつつ、ギャラリー的な活動も並行してMATOYAらしさをより色濃くしていきたいですね。
>>>
MATOYA
愛知県岡崎市籠田町12 渡辺ビル 3F
営業時間:11:00 ~ 19:00 (現在は短縮営業で18:00までとなっています。)
web : https://www.matoya.net/
instagram : @mato_ya