INTERSECTIONS -case02- GIDS×Atsushi Nakahara, Shinya Nakamura
“INTERSECTIONS edit by TAB Journal”とはTABがこれまでに関わらせて頂いた場所や空間で過ごしている方々に焦点をあて、インタビューしていくコーナーになります。
第二弾として2016年に関わらせていただいた岐阜県本巣市根尾にあるデザイン文化施設+ワーキングスペース「GIDS(GIFU INDIE DESIGN SESSIONS)」にてメンバーである「中原 淳」さんと「中村 親也」さんにインタビューしました。
中原さんはGIDSの中心人物で、グレイセル株式会社代表でありプログラマーとして働く傍ら、山ねこ不動産という不動産業を営んでおり本巣市根尾周辺の物件を取り扱っています。中村さんはGIDSメンバーでKAKKO E 合同会社のデザイナーであり、最近では、根尾地域にある森林を扱う合同会社LOMを立ち上げ、森林プランナーもされています。
↓GIDS
TAB:GIDSが始まるときの経緯を教えてください。
中原:もともと東京で仕事をしていて、子供が生まれたタイミングで奥さんの実家のある岐阜県に引っ越してきました。IAMASのある大垣市にやってきて、GOCCO.やTABという会社があるという情報を教えてもらい、少しの間は両者がシェアしているオフィスに机を借りていました。でも住んでいるのは本巣市の根尾なので大垣まで若干遠くて、実際のところはあまり行かなかったですね(笑)それから自分の住んでいる根尾でもそういう場所を作りたいなと漠然と思っていました。自分で使えそうな古民家とか探したのですが、あまりいい物件はなくて、貸りようとしても貸してもらえませんでした(笑)
根尾でIAMASの金山先生のプロジェクトにも参加したり、地域おこし協力隊の方とも関係をつくり、イベントもしながら活動していました。イベントでは西田さんに話してもらったり、南原食堂の南原さんにも参加してもらいました。そういった活動の流れで本巣市の市長にプレゼンする機会があり、企画書を作ってプレゼンしたら、この場所を貸してくれることになりました。この場所はシルバー人材を派遣する公共の場所だったんですが、稼働していたのは2~3年くらいでその後は空いていました。場所を確保できたので西田さんに相談しようと思い連絡を取りました。
TAB:GIDSをつくるにあたってどんな要望がありましたか?
中原:全体の要望としては、この場所はモノとしてのかっちりした場所を作るということを目指すのではなく、用途がそこまでない状態で、この場所での新たな活動や用途を誘発するような計画、仕組みをしてほしいと伝えました。あと、トークセッションや展示などのイベントや打ち合わせ、デザイナー・イン・レジデンス(滞在制作+成果発表)などはこの場所でしたいこととして伝えました。
地元に工務店さんはいるので一度話に行ったのですが、やはり用途を決めてほしいなぁ~と言われてしまって、カウンターや会議室とかの話になってしまいなんか違うなと。この場所が出来てからはトークセッションや展示などでイベントごとで配置を変えながら使っています。
TAB:これまでにGIDSではどんな活動をされてきましたか?
中原:ここはワーキングスペースとしても活用しているので、普段はここで作業やミーティングをしたりしています。僕個人としてはここで不動産業を始めました。
中村:僕は合同会社LOMを立ち上げてここで打ち合わせしたりしています。
中原:ここで行った活動としては、デザイナー・イン・レジデンスの成果発表だったり、講師を招いての講座だったり。去年はNEO HACK CAMP2018という根尾をフィールドワークして地域の力を探ってアイデアをまとめるようなイベントを行ったりしました。
↓デザイナー・イン・レジデンスの成果展示・成果発表
↓合同会社ROMの設立パーティ
↓NEO HACK CAMP
中原:この場所があることで、いろんな人が来るようになったように思います。この場所で何かやってることで見えていなかった人々が可視化されていくような感覚がありました。
中村:GIDSでたまに焚火をしていてSNSとかにアップするんですが、フラッと人が来たりします。先日の合同会社LOMの設立パーティにも来てくれました。
TAB:根尾デザイナー・イン・レジデンスについて教えてください。
中原:これまでに4人の方たちがここで滞在・制作をしていきました。滞在するデザイナーの方々は6か月間滞在でき、月額8万円支給されます。ここをオフィスとして仕事をしたり、何かを作って売ることや、制作事例として何かを制作をしたりできます。とてもわかりやすい内容なので仕事始めたばかりの人だったり、スキルを持っていて新しく何かを始める人にとってはすごくいい制度だと思います。現にそういった方々が滞在している気がします。
受け入れる方として見ていると、この前来たボディワークやダンスをされている方はどうやってお金を稼いでいくんだろうか?と疑問に思っていたらアートワークとしてのダンス、講演して講演料をもらったり、レッスンをしてレッスン料をもらったりして活動をしているんですね。それを見てなるほど。と思いましたね。自分とは異なるジャンルの方が来て違った視点をもらえるので発見があります。
悩みとしては、4回続けてきて、近所の人たちに伝わっていないかもなぁとも思っています。紙媒体か何かで活動内容を伝えたほうがいいかなとも思っています。
TAB:今後のGIDSとしての活動はどんなことをしていくのですか?
中原:現在、デザイナー・イン・レジデンスはアジアの方、例えばマレーシアやシンガポールなどの東南アジアの方々からオファーが来ていて、この方たちを受け入れるか、どうするか。ということを悩んでいます。来る方たちは実際にこの場所に滞在します。彼らの言語は英語なので地元の方たちとコミュニケーションが取れるのかどうかを心配しています。オファーしてくる方たちは高学歴でPCのソフトやデジタルファブリケーションもバリバリ使える知識もあり、さらに日本に興味を持っているのが伝わってくるのでさらに悩みますね。来てもらったらすごく面白いと思うんだけど。(笑)
中村:僕は森林にかかわることをやっていきたいと思っています。例えば今スウェーデントーチがちょっとずつ売れています。これは間伐材で捨ててしまう木をカットして、切れ目を入れているものです。この地域にはアウトドアインストラクターの人達が結構住んでいるので、そういう人たちがワークショップで使用したりしています。
中原:あとは森林バンクを山ねこ不動産と合同会社LOMと一緒にやっていきたいなと思っています。山ねこ不動産で山を管理して、合同会社LOMが管理したりしていくような形。合同会社LOMの伊藤さんの作業を見ながら、僕も森で木を切るとかの作業もできたらと思っています。(笑)もちろん、山ねこ不動産でいい森林を管理して不動産として貸し出すとかもしたいです。いろんなジャンルをいったりきたりしながらこの場所で仕事を作っていきたいなと思いますね。
GIDS
501-1522
岐阜県本巣市根尾樽見33番地1
TEL:0581-38-3055
mail:gids.neo@gmail.com
岐阜県本巣市根尾地域 滞在デザイナー支援制度 : 第5期 滞在デザイナーの募集
GIDSでは地域に暮らして、制作活動をするデザイナー(クリエーター)を募集しています。ものづくりを生業にする(しようとしている)人なら、ジャンルは問いません。
問い合わせ、見学も大歓迎です!滞在開始時期も、調整可能です。
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